宮崎がんのリハビリテーション研修会

宮崎がんのリハビリテーション研修会とは

がんのリハビリテーション研修会は「がんのリハビリテーション」に精通した人材を育成し、がんに対するリハビリテーションを普及させることを目的に実施しています。平成26年度から、各都道府県での研修会開催が可能になりました。

宮崎県では、平成26年3月に「宮崎がんのリハビリテーション研修会実行委員会」を組織し、今回、実行委員会主催でがんのリハビリテーション研修会を開催する運びとなりました。この研修会は、がん患者リハビリテーション料に関する施設基準のうち、厚生労働省が認める「適切な研修」の要件を満たしています。

平成27年8月1日(土)、2日(日)の二日間にわたる研修会で、宮崎県立宮崎病院講堂にて開催いたしました。参加施設は、応募施設23施設から12施設(1施設あたり:医師1名、看護師1名、リハ職種2-3名)を選定した56名の参加でした。

がんのリハビリテーションとは

がん患者様の生活機能とQOLの改善を目的とする医療ケアであり、がんとその治療による制限をうけた中で患者に最大限の身体的、社会的、心理的、職業的活動を実現させるものです(Fialka-Moser,2003)。

 

がんのリハビリテーションの病期別目的

がんのリハビリは治療と並行して行われるため、病状の変化をはじめ、あらゆる状況に対応することが可能で、治療のどの段階においても、それぞれのリハビリの役割があり、患者様が自分らしく生きるためのサポートを行っています。

また、がん医療においては、予防的な関わりが重視され、予防的リハビリといわれる分野があります。これは、がんと診断された後、早い時期に開始されるもので、手術や抗がん剤治療や化学療法、放射線治療などが始まる前、あるいは実施された直後から行うことで、治療に伴う合併症や後遺症などを予防するものです。

  1. 病期別目的 予防的(Preventive)

    がんの診断後の早期に開始。機能障害はまだないが、その予防を目的とする。

  2. 回復的(Restorative)

    機能障害、能力低下の存在する患者に対して最大限の機能回復を図る。

  3. 維持期(Supportive)

    腫瘍が増大し、機能障害が進行しつつある患者のセルフケア、運動能力を維持、改善することを試みる。自助具の使用、動作のコツ、拘縮、筋力低下、褥瘡など廃用予防のリハビリを含む。

  4. 緩和的(Palliative)

    終末期のがん患者に対して、要望(Demands)を尊重しながら、身体的、精神的、社会的にもQOLの高い生活が送れるように援助する。

*記事を読み興味をもたれた医療・介護・福祉従事者の方は、平成28年度開催の宮崎がんのリハビリテーション研修に御参加ください。